~マーガレット・サッチャー 「社会なんてものは存在しない」~

・動画について

イギリス初の女性首相マーガレット・サッチャー。保守的かつ強硬な性格から「鉄の女(iron lady)」の異名をとった。

「政治哲学」という言葉は日本では敬遠されているかもしれない。それは政治家に政策の前提になるような思想、信念がないからだ。単に選挙で当選することが目的の政治家は、場当たり的な人間でしかない。

一方イギリスの政治家は、自分の政策の前提思想を国民に説き、説得しようとする。サッチャーはまさにその典型だと思う。激しい批判を浴びながらも自分の信念を曲げることなく周囲を説得させていく。

「社会なんてものは存在しない。あるのは個人だけ」

不況で不満を持つ国民は社会、そして政府に権利を要求する。そんな中サッチャーは「自助努力」を掲げる。自分の面倒は自分で見る。そして次に隣人を気にかけるのが国民の義務だとし、「義務を果たさずして、権利なんてものはない」と断言する。

動画は彼女の庶民院での最後の討論の様子である。この動画を通して一人の政治家の信念、また政治というあまりなじみのない世界を感じてほしい。

・翻訳した際の注意点

対象となる人は普段から政治にあまり興味を持っていない大学生。ある程度の日本語能力は持っており、政治的な用語もある程度は理解できる。

しかし分かりやすさを最も重視し、常に興味を引けるような翻訳を作りたかった。

この動画の題材そのものは難しそうだが、非常に盛り上がっているシーンが抜粋されている。サッチャーが相手の矛盾を突き詰めるシーンや、ジョークを交えて周囲を巻き込むシーン。最後は欧州中央銀行に対する皮肉で締めくくられている。

この面白さを伝えるためにもジョーク、皮肉の分かりやすさを追求したかった。少し時間が経ってから、字幕を理解するような訳出ではなく、瞬発的な笑いが起きるような訳出を突き詰めた。

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