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シャドーイング

 シャドーイング(shadowing)は、「フォローアップ(follow up)」、あるいは「同時リピート」とも呼ばれ、聞こえてくるモデル音声を、イントネーション、アクセント、発音、ストレス、音の連結や弱化・吸収、間の取り方などのプロソディ(prosody)をそのまま真似る口頭反復練習の事である。(瀧澤,2004)

 シャドーイングはプロソディ感覚を養成するのにもってこいの学習法である。プロソディーセンス(音韻感覚)の養成、強化に大変効果的な練習方法である。(染谷,1996)

 また、シャドーイング学習によって、ワーキングメモリの音韻ループ(1.2)の機能が向上することが証明されている。(玉井、2005)はL2のリスニング指導においてシャドーイングの集中訓練を施しながら、以下の3点を指標にして比較実験を行った。

1)構音速度

2)記憶スパン

3)復唱力

1) 構音速度とは、瞬間的にどれだけの文字を音読できるかということであり、この数値が高いと、リスニングにおいて、瞬間的に処理できる情報量が多いといことになる。

2)記憶スパンとは、音韻ループにおいて短期記憶として音を保持できる長さである。

3)復唱力とは、心内で入力音声を復唱する能力で、これが効率的に行われると意味理解が容易になるとされている。

 比較実験の結果、1) 構音速度2)記憶スパンにおいて有意差が確認され、特に、復唱力の変化は特徴的であった。(玉井,2005)

 上記より、シャドーイングは①プロソディ感覚の養成と、②音韻ループの機能向上による、言語処理能力自体の強化に効果的であると言える。

 この方法を導入する際に注意すべき点は音源の速さ、テクストのレベルの2点である。(染谷,2006)によると、の音源の速さに関しては、初中級者でおよそ120-140 wpm、中上級者で140-160 wpm程度が適当です。一般に、100 wpm 以下のものは自然なプロソディーが崩れていることが多く、シャドーイング練習には不適当であり、また、全体の平均が180 wpmを超えるものについては原則としてサイレントシャドーイングで対応するようにするとしている。また、テクストレベルについては、『読んで理解できることが条件であり、使用するテキストの未知語率は最大 5パーセント(20語に1語)以下を目安とし、できるだけ 2.5 パーセント(40語に1語)以下のものを使うようにする。なお、1回の練習に使う教材の長さは、初中級者の場合で1分から2~3分程度、中上級者でも3分から5分ほどの比較的短いものを対象にし、いずれも内容的にまとまりのあるものを使うようにする(長いものはパラグラフを単位にいくつかに分割して使用)』としている。以上2点に留意して置きたい。

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